超個人的メモ

忘れたくない時間を記録する用。

国産本マグロで好きを募らせすぎた話

 

 

 

行ってきました、2度目ましての国産本マグロ。

激甚災害に指定された台風19号の影響で中止となった、10月12日のチケットを持っていたワタクシ。追加になった13日の夜公演であれば、電車死んでるっぽいけど何とかなるんじゃないか?!と思い立ち、その日の午前中にチケットを確保。


台風の夜に結構不安な夜を過ごしていたので、加東さんの「エンタメには人の心を前に進める力がある」というお言葉に、そうだった!だからわたしは心躍るエンターテインメントに触れていたいんだ!と思い出し、生きている路線を乗り継ぎ、池袋に向かったのでした。

 


さて、内容のお話。


オムニバス形式で2本の過去作品リメイクと“予告編”が1本。

 

「居酒屋ショートコント2019」


居酒屋での群像劇が、たった2人で繰り広げられます。


前回「帰ってきた国産本マグロ -Strikes Back!-」で初めて国産本マグロのコント・お芝居に触れたとき、すごく感じた気持ちよさを今回も感じました。


序盤、すごく些細なきっかけをものすごい数散らばらせていくんですよ。本当に小さな小さな種みたいなのをもうめちゃくちゃ蒔くの。それをある瞬間からものすごい勢いで収穫していくイメージです。全部きれいに回収して終わるのがすごく気持ちよくて。いろんな要素が含まれるから、それを2人でやってても単調にはならなくて。でも明快。


すごく好きな群像劇の小説を読んだ時のような気持ち良さが残るんです。


入間人間さんの「六百六十円の事情」みたいな…みんな読んでみて…

(最近だとアニメ化する「安達としまむら」とか書いてる人だよ)

(わたし、この人は一見平坦に見える群像劇書いてる時が一番好きだよ)


今回もその気持ち良さはもちろん健在で、さらにわたしはおふたりのお芝居のデフォルメ具合がめちゃくちゃにツボなので、どんなキャラクターをしてても面白かったです。コントとお芝居の境界が曖昧というか…すごく自然なお芝居なのに、キャラクターのデフォルメ感にしっくりくるというか、馴染んでいるのがもうめちゃくちゃに好き。あとゲッツさんの女役の時の膝の内側向き方が好き。


そんでもって、目の前で起こっている事象で笑わせる力みたいなのがすんごいんですよね。そりゃ笑っちゃうよ!みたいな。それも気持ち良さの一因なのかな。スカッと脳みそ介さずに大笑いするの気持ちよくない?

 


「タクシー2019」


ものすごく今しかできない時事ネタオンパレード。タクシー運転手とその乗客のお話なので、動きはほぼないんですが、とにかく会話の内容で畳み掛けるように笑わせに来ます。そしておふたりのお芝居のすごく細かいところがめちゃくちゃにツボをついてきます。

 

それにしてもゲッツさんの胡散臭い役、めっちゃいいな~!!視線の演技っていうのか…?目線の流し方がすごく好きで、ヤクザの兄貴やってるときも超素敵です。どすの利いた声めちゃくちゃいいよね!!


拓矢さんは、わたしもう表情の変化も挙動一つ一つもすべてがハチャメチャにツボなので、全部好きなんですけど(挙げだすと細かすぎて伝わらないシリーズになる)運転中ハンドルを持つ手が7時25分なところとか、ハンドル切ったあと掌の中でしゅるるるってハンドル戻すところとか…(別に運転手フェチではない)とにもかくにも好きでした。


オチで一気に空気変えるところとか、おなかの底がぞわぞわってしちゃったもんね。

 

こちらの作品は4年前のものがYouTubeにあがっているのでぜひみてね。

 

 

そして新作「予告編」


三国志です。


三国志って似たような名前の人がものすごくたくさん出てくるからよくわかんないんだよなーという思いからあまり深く触れてこなかったのですが、ステージ上にいるのは2人。劉備曹操孫権を同じ人が同時に演じるんです。それなのに今誰?!にならない。ちょくちょく挟まる“役のビジュアルを俳優さんになぞらえて口で言っちゃうやつ”もあって全然置いてけぼりにならないです。すごい。


わたしの三国志の知識「ピカイチ!」くらいしかない(誰か横山光輝全巻貸して…)のですが、ちゃんとついて行けてたので多分大体の人は大丈夫なんじゃないでしょうか。

 

そう、そうなんです。わたしの三国志の知識、ピカイチ!しかないんですけど、もう、さ!過去のブログでだいぶアレな感じだったのでご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、ピカイチ!拗らせまくってここまできているので、もう。


孫権:塩野拓矢


この破壊力。ああ…ありがとうございます…本当に…

 

ちなみに夏侯惇は特にすごく好きなわけではありませんが、江夏惇のモンペ的に登場シーンでは諸手を上げて喜ぶほかなかった。ゲッツさんの夏侯惇(隻眼の…って言った瞬間)にキャー!って手を振りそうになった(耐えた)。

 

ストーリーは皆さんご存知の三国志なんですが、ちょいちょい挟まる小ネタとかアドリブなのか本当にそういうセリフなのか、その辺のバランスがおふたりとも本当に絶妙。いやいや劉備そんなこと絶対言わないよ、みたいなのが挟まっても邪魔にならないんですよねぇ。世界観を崩さないというか、崩すほどの邪魔をしないというか。


笑いどころがちゃんとあるけど締まるところめちゃくちゃかっこよくて。さすがおふたりとも身体の使い方がみていてとっても気持ち良い。

 

途中挟まった「さあラストまで頑張ろう給水コーナー」(今勝手に命名した)で劉備様と拓矢さんの狭間みたいな人(?)が前日の台風の日のお話をしていたのがあまりにも心に残りすぎているのでここでも残しておきますね。


前日は台風の中、民にネコを撒いたり(Twitterのタイムラインに癒しのネコチャン画像を頒布)、家の近所の野良が心配でちょびっとネコをあつめに行った(#ねこをしまえ)そうです。


ええ……なにそれ……めちゃくちゃ好きなんですけど……フルハウスでよくある愛しさが募って出たため息みたいな声出るかと思った……

 

閑話休題


今回の予告編では赤壁の戦いの直前までが猛烈に進んでいきました。観てるこちらも息切れしそうな熱量。


そして、4月の国産本マグロ本公演では、予告編として上演した部分を含め、その先をやるそうです。たった2人で。はーーーーこりゃ楽しみだ!それまでに横山光輝を読もうと思います。(関羽張飛が少しむつかしい)(関羽に羽があるのに張飛にも翼があるから…)

 

いやー楽しかったな!観劇後、あーたのしかった!って気持ちが1番上にくるお芝居が、やっぱりすごく好きです。ストーリーに関わらず清々しさが残るというか。あの熱量をあの距離で浴びれるからなんだろうなぁと思います。気分も明るくなるすごく充たされた時間でした。13日、上演してくださって本当にありがとうございました!

 

4月も楽しみだーーー!!!