超個人的メモ

忘れたくない時間を記録する用。

梅棒 14th WONDER「おどんろ」登場人物別、所感

おどんろ!!観てるぜ!!!今!!!俺たち!!!!!そんな気持ちを噛み締めながらサンシャインに通い、各地を飛び回る生活も、あっという間に終わってしまいました。儚い…本当に愛おしい時間でした。


さて、恒例のキャラ別のアレです。
梅棒の人外は可愛い。オタクはずっと思ってましたが、今回さらに多くの人にそれが浸透したのではないでしょうか。みんなもれなく愛おしくて、だからこそあのラストにぐあーッ!となる。堪らんなぁ。

 


例のごとく、観てない方には何のことやらの不親切仕様です。
今回、いつにも増してみんなへのラブレターになっちゃったな!!

 

 

 

 

 

 


【NEO妖怪】

 


☆妖太郎(小越勇輝くん)

可愛いーーーーーーー!!!妖怪のプリンスじゃんーーーーーーー!!!!(ジャボついてるとみんなプリンスに見える)客席の目を集めるオーラというか、もう妖怪のプリンスたる説得力がすごい。小越くん、日曜の朝振りに観たんですが、シンプルにお芝居がめちゃくちゃ好きで今回もしかしたら1番“気付いたら目で追ってる”かもしれない。
今回、過去作で1番好きなナンバーの「ふっかつのじゅもん(OTW)」に匹敵するレベルでM18が刺さってるんですが、そこの妖太郎ちゃん見てるだけで涙出てくるんですよ…「美味い」って絶対言わないけど彼がここでカレーを食べたことが何よりの…ていうさ…そういうの絶対好きじゃん。あんなに嫌がってたみんながそれを見てカレーに手を伸ばす理由もさ…わかるんだよ、ほんの少し彼らの日常を見せてもらったタイミングだから、彼らの妖太郎ちゃんへの手放しの信頼とか…。そういう、妖怪たちから信頼されてる理由も舞台上で全部見せてくれるし、もうシンプルに梅棒のダンスがうまい。ダンスに感情が乗って、その感情に客席を巻き込むのがうまい。
わたしはおどんろthe1stのパンフを見た時から、M1で妖太郎ちゃんが妖怪たちに「ほら集まって!」って言って始まる“夜行”が見たくて見たくて仕方なかったんだよ。初日はずっと見たかったもんが本当に観れてワケわからんくらい泣きました。ずっとずっと君たちに会いたかったよ。待ってたよ。

 

 

☆エリゴルゴン(つるさん)

もうね、初日の前説の映像の時点で「アッ!このつるさんは“優勝”のやつだ!!」になりました。パンフ見てないから配役見てなかったのにだよ。あの触手状のものの動きには心当たりがありまして…誰も勝てないんだってつるさんが人外やったら…ストーリーを運んでいくというか、起承転結それぞれのきっかけになるポジション、流石すぎてもう言葉は要らない気すらしてくる。
妖怪たちの過去を見てるとこの子はなんかシンプルに可哀想すぎん…?!て思ってたんだけど、最終的に最後は自分の尻尾を追いかけた結果…だから、まあ結果だけ見たらちょっと間抜けなんだけど、確かに人間を助ける道理がなくて…は〜よく出来てる……(梅棒初心者の感想?)そんな中でほんの少し芽生えた友情のもとアタリくんは守ろうって気持ちになったのかな…。すごいよね、梅棒してるつるさんのお芝居って、考えすぎってくらい考えてもまだ考えることがある…(?)
メインのストーリーではないところで繰り広げられる物語にしとくにはもったいないくらいの物語があるんだけど、メインのストーリーを邪魔しないさじ加減というか…さすがだよなあ…魂…M6で妖太郎ちゃんにしっぽちょん切られてぷりぷり怒るのに一旦捌けた後再登場でめちゃめちゃ肩組んで楽しそうに出てくるのバカだ~~~!!!になって大好き。

 


☆たぴりす(RiNnAさん)

可愛い〜〜〜!!!!ビジュアルから強火ギャルかと思ったらめちゃくちゃキュートギャルでとにかく可愛すぎる〜〜〜!!!!!ダンスのジャンルのせいか踊ってるとめちゃくちゃ液体に見えるんですよ。凄くない?踊ってない時はぽよぽよ弾んでて、弾力がある〜!タピオカだから〜!!!て感動する。比較的新しいよな…いうてまだそれなりに店もあるし…と思ってたけど、RiNnAさんがタピオカの妖怪(改めて文字にすると意味わからんくてすごいな)役になった答えはダンスに全部表れてます。ダンスでタピオカって表現出来んだね…。
なんとなく、流行のタイミング的に(このタピオカブームが第3次?であることは一旦忘れて)(我々の知るタピオカに関するムーブメントが表現されていたので)作中で生まれた赤ちゃんこと傘児童ちゃんの次に若いイメージ。かわいいもの、たのしいことはだあいすき!だけどこわいのはいや〜!!って感じで、怖かったりするとすぐ他の子達の影に隠れてて可愛い。妖太郎ちゃんのマントにくるまりがち。でも傘児童ちゃんのことは一生懸命守ろうとしてる姿が随所に見られて、お姉さんしてる〜!可愛い〜!になる。本当に可愛いと可愛い以外にうまい言葉が出てこねえな…
あとエリゴルゴンにちょいちょい言い寄られてて可愛い。よく分かってないのか適当にスルーしてるのか、拒否はしてないけど進展はしてなくてそれもまた良い。

 


☆二千GENJI(NANOIさん)

サイズ感と動きの感じで、端っこの方で本当に置き物みたいになっててめちゃくちゃ愛らしい。カレーのシーンでテーブルに座って運搬されてくるところとか、なんか…イメージですけど、車屋とか不動産屋とかのカウンターに置いてある太陽光で動くずっと一定の動きする置き物みたいなんですよ。(伝わってください)アニメーションとかロボットダンスって、妖怪っぽさというか、人間離れした雰囲気めちゃくちゃ出るよね。知ってるんだ、おれ、そういうトイレの花子さんに会ったことあるから…
この名前がベベン!て出て始まるこの子のターンの曲(M10)のイントロはもうなんかずるいじゃないですか。この子とか言ったけど、なんとなく妖太郎ちゃんとの付き合いが長いイメージがある。妖太郎ちゃんからもその力をすごく信頼されてるというか…まあ服装とかビジュアルのせいではあるだろうけどしっかりした大人(大人????)っぽい印象。でもちいちゃくて可愛い。捕まってる時の傘児童ちゃんに対する保護者っぷりもあるからかな…
M24の最後、崩れてくる瓦礫の下でその姿が見えなくなる直前にめちゃめちゃ良い顔しててちょっと思い出しただけでじんわり涙が出てくる。あの表情を見るたびに、妖怪になった過程も、天堂製薬の思惑に巻き込まれた時も、きっと嫌な思いはたくさんしただろうけど、ナムコちゃんや萬代さんに出会って、「人間もまあ、そんな悪くないかもしれないな」って思ってくれてたらいいなぁと願ってしまうのよ…崩れ行くビルの中、じゃれこちゃんを庇う事に迷いがなくて、妖怪たちが本来「人間に愛されたかった、大切にしてほしかった」という気持ちをすごく持っているのを思い出して心臓ギュッ…となる。

 


☆BENZO(マチョさん)

出てきた瞬間拍手と爆笑をかっさらっていく唯一無二の男がまた梅棒で見れるぞーーー!!!!やったー!!!肌色比較的控えめですが、尻が出てて安心するの、この人しかおらん。今回は傘児童ちゃんにちょいちょい尻を狙われています(?)着脱式の便器、結構便利に使っててふふ…となるね。雨とか瓦礫とかも避けられるし。あとなんか前髪フィンガーウェーブっぽくてかわいい。
マチョさん単品で見たらどう考えても様子がおかしいのに、妖怪の中に居ると別になんか普通なのなんでだろうね…?むしろ妖怪たち赤ちゃんばっかりだから割とまともな人に見える…不思議…みんなの良きお兄ちゃんに見えます。みんなが捕まった時、助けに来た萬代さんが社長にボコボコにされてもなお縋りつくところで、萬代さんに「もういいから逃げろ!」ってしてる回があって(毎回ではなかった気がする)クッ…そのビジュアルで真っ当にめちゃくちゃ良い奴されると…ぐええ…になる。そのあとすぐにハッとして二千GENJIと一緒になってぼこされてる萬代さんが傘ちゃんの目に触れないように隠すんですよね。グゥゥ…(呻き声)
M24の散り際、ベンゾーの時に妖太郎ちゃんにライトが当たるんですけど、なんでかな?エリゴルんとき居らんかったよな…?て思ってたら歌詞が「僕のせいなんだね」で右手を見つめてて、「なんっ…なんで…!違うよ!!!どうしてそんな辛いこと歌詞で突きつけてくるの…!!!」とめちゃくちゃ歯を食いしばってしまう。

 


☆傘児童(すいーつさん)

3ちゃいのすいちゃんだ!!!!!!(第一印象)すっっっごい可愛いのによく見ると目の焦点定まってなくて「よ、妖怪だァ…」てなる。生まれたての赤ちゃんなのでみんなにかわいいねえかわいいねえ…ってされててニコニコしちゃう。でもかわいいねえかわいいねえってしてる子たちも概ね5ちゃいとか7ちゃいにみえるので、瀬賀寺は保育園です(途中マジで萬代さんが保育園にこの子預けに来るシーンあるでしょ)最初にカレーを受け取った時よくわかってなくてBENZOに「もぐもぐするんだよ~」されてたり、スプーンが上手に持てなかったり(ぐーでぎゅっとにぎってる)、アイスおっことして「わあああああん!!!」て泣いたり、幼児としてのディティールが素晴らしい。
しかしまあ、こんなにわかりやすく末っ子の傘ちゃんが、一番苦しめられるシーン多くてシンプルにつらい。ていうかみんながあまりにも可愛いねえ…ってだいじだいじしてくれるから…余計に…なんか、こんなにヴィランに対して嫌!って感情になる梅棒作品初めてかもしれない…いつもなら大体ヴィランも好きになってしまうので…
最初はエナドリ誤発注の件もあり邪険にされていた傘ちゃんの差し出す傘を萬代さんが初めて受け入れてくれた(M15)時にみせる笑顔が本当に本当に愛おしい。
あと妖怪たちにはわりとすぐ懐いてるのも可愛い。みんなやさしくてよかったね…
ところですいーつさんはメガネをカタカタさせるのが好きなんですか?(傘ちゃんはメガネが何なのかわからず気になったのかな…?)

 


☆瀬賀三四郎(たっさん)

この「一歩引いたところから助け、支える大人」をたっさんにやらせたら無敵だと過去何度も言っておりますが、本当に今回も最高です。初見、どうしても可愛い妖怪たちに夢中になってしまうけど、数を重ねるごとに大人組の良さが本当に染みる。その筆頭こと瀬賀さん。何と言っても、M24ね…瀬賀さんを追いかけると辛くて辛くて…わたしは梅棒を観て勝手にいろいろ妄想するタイプのオタクなのでこれは二次創作ですが、なんとなく瀬賀さんは、子どものころからこの妖怪たちと一緒に暮らしてたんじゃないかなぁと思っていて。だからこそ前説の「そんなに悪い奴らじゃねェ」に説得力があるんじゃないかなぁ。そんで、そんな風に思いながら見てると、もうM24、瀬賀さんの視点に入り込みすぎて辛くて辛くて…目の前で瓦礫に飲まれるエリゴルゴンを呆然と見てるとき見たことない顔してるんですよ。前説からずっと、飄々としていてどこか親しみやすい生臭坊主感のあった彼が。で、妖太郎ちゃんが最後に“人間を救うために妖怪を切り捨てるという選択”を託すのが彼でしょう。あの数秒で瀬賀さんと妖怪たちが築いてきた絆と過ごしてきた時間がぶわっと見えて、本当にしんどい。それを彼になら託せるという信頼が妖太郎ちゃんの中にある…。自分の気持ちよりも妖太郎のその気持ちを汲んだ、優しい優しい彼は、自分だってきっと誰より辛いはずなのにナムコちゃんを励ますんだよね。カッコイイ大人だよ本当。

 

 

 

【天堂製薬】

 


☆天堂社長(拓矢さん)

わたしは生まれて初めて、拓矢さんの役に対する嫌悪感が拓矢さんに対する好きの気持ちを上回りました…こんなに結婚したくない拓矢さん初めて…(個人の尺度すぎる)毎回ダンスめちゃくちゃかっこよくて大好きなのに絶対に許せない…大嫌い…かっこいいけど…と正気を失わないように歯を食いしばりながら観た。ちょくちょく気が狂った。妖怪たち1人1人にメイン曲があってしっかり掘り下げてくれて、全員もれなく好きになっちゃう作りになってるから、今作のヴィランとしては大正解大優勝なんだけど、それはそれとして絶対に許せない…。M22とM23の間の残機数える社長みてると「お前を…お前を同じ目に遭わせてやる…」と殺意がわなわなしてしまう。心臓をフンっ!だよ社長なんて!!!でも踊るとかっこいいんだよぉ…なんとかしてくれよぉ…情緒がガタガタだよぉ…!!!
今回拓矢さん兼役いろいろ楽しかったなぁ。M1の工事現場の人は唯一結婚したかった拓矢さんです(個人の尺度すぎる)ホットパンツも最高だったし、警察も好きだったけどM19は人間への憎しみで震えていたからな…あと、わたしは拓矢さんの声がめちゃくちゃ好きなので、オリジナルソング超嬉しかったです!!「飲めばわかるさ 漲る力」で毎度一瞬社長への嫌い!!に拓矢さん好き!!!!が勝つんだけど、「笑わせないでよお巡りさん」でスン…となり、こいつ嫌いだな…になってた。何を言ってるかわからねぇと思うが、文章からもわたしの精神状態がジェットコースターだったことだけは伝わるでしょうか…。
そういえば、M4が某YES!のCMっぽくない?って言いだした戦犯だけ誰か教えて貰えますか…こんなにあちこちで聴く曲なのにかかると笑ってしまう身体にされたので…(これを梅棒の呪いといいます)

 


☆祖煮博士(社長)

なんか最近の天野社長(天堂社長との差別化)蓋開けるたびに全く知らない姿が観れてめちゃくちゃ楽しいです!!絵に描いたようなマッドサイエンティスト…博士に関しては、初期は「この人は自分の研究に夢中だっただけなんだよな…結果的に最悪なことした実行犯だけど…」と思いながら観て、博士に注目していくうちに段々「こいつが傘ちゃんを無理やり連れて行ったのは、自分が傘で殴られたからそれに対する苛立ちもあるな?!常人じゃないと思ってたけど人間味感じたら急に嫌いだわ!!!!!!」になり、最終的に「最初からレモン電池で燥ぐ程度にしておけばよかったんだ…どうして…こんな…」とイメージが二転三転したなぁ。多分人の話は聞かないし自分の得意分野のことを一生一人で喋り続ける人なんだろうけど、社長に黙らされてる(あのポーズ)ところは素直でなんか憎めないというか…。そう、博士は一貫して憎めないんですよね。それは多分わたしの中のマッドサイエンティストのイメージがあって、そこにかっちりハマるキャラクターを天野社長がみせてくれたからだと思うんですよ。天野社長、どんどん知らなかった顔をみせてくれてありがとう…
兼役はトイレの業者の人が好きでした。お辞儀がめちゃくちゃ綺麗。さすが元スーパーサラリーマン…

 


☆邪礼子(Kurumi Shiinaさん)

正直言うと、邪礼子ちゃんは公演期間のかなり終盤まで「ほんまに好きになる要素見つからないんだけど…」と思っていた人。でもそれは妖怪に大して云々というより、萬代さんに対しての態度が嫌すぎるっていう…。それはそれとして、ヴィランはダンスがうまいほど強くて怖くて良い、を信条に梅棒を観ているので、この人がヴィランに居てくれる事の安心感は半端なかったですね。
終盤、意図的に邪礼子ちゃんの気持ちを追っかけて観てて、M24のごたごたの中、二千GENJIやたぴりすちゃんの打算的な感情の一切ない「人間を助ける」「助けたい」に触れて彼女の中で変わるもんがあったのかなぁなどと思ったり。でもやっぱり、この子がもう少し早く「こんなのおかしい」と気付くなり、アタリくんの声に耳を傾けてくれていたら…と思わずにはいられないんだよなぁ。実際、相手は自分の勤める会社のトップなわけで、きっと彼女の場合“大手企業天堂製薬に勤めている私”にかなり意味があったのだろうし、現実的にそのトップに逆らうだけのことが出来るかと言われれば、彼女の選択にならざるを得ない気もするのだけど。邪礼子ちゃんの気持ちの変化を追いかけようとすると、彼女の葛藤はしっかりと節々に表れてて、そこでも更に天堂社長へのヘイトが高まっていくのでした…M22の前に、社長がびりびり棒を邪礼子ちゃんに押し付けて上に上がっていくの本当嫌いだったな…高みの見物感がすごくて…社長のおかげで邪礼子ちゃんかわいそう…の気持ちが高まった。

 


☆阿多利(たわちゃん)

ものすごく何目線?て感じなんですが、今回、たわちゃんめちゃくちゃ“梅棒に馴染んだなぁ”と思った。伝わります?これ…普通にセットアップ着てると脚の長さとか顔の良さがめちゃくちゃ際立つけど、なんかそれで極端に目を引かなくなったというか…うーん…言語化が難しい…。居て当たり前になった…目が慣れたのかな…(?)
初見時に思ったのが、この役割のキャラをたわちゃんがやってるのが嬉しいなぁ…でした。物語終盤の気持ちの変化の説得力は、前半でどれだけその欠片を零しておけるかで全然変わるじゃないですか、阿多利くん。梅棒作品、人数多くてみんながいろんなことしてるから、たわちゃんを見よう!と思って観てる人以外は細かい感情の変化まで初見じゃ気付かない部分も多いと思うんですよ。(かなり緻密に「ここ見とくといいよ~」の視線誘導はされてるんだけど。そしてオタクがそれを無視して好きなとこばっか見てるからだとは思うけど)だからそのポジションに“梅棒の”多和田任益が居るのにめちゃくちゃグッと来た。M21で伸ばした指先が空を切るのにめちゃくちゃ胸が締め付けられるのは、前半の阿多利くんの人間性を少しずつ丁寧にみせてくれたたわちゃんの技量だと思うんですよ。
M25の“指先が触れた気がした”あの一瞬の阿多利くんの表情だけで滝のように泣いてしまっていたなあ。本当に節々で見える表情がとても好きです。

 


☆萬代(うめさん)

ステージ上に現れた瞬間、一瞬で「うだつの上がらないサラリーマンだなあ」と思わせるビジュアル、表情、所作。もう最高ですよ。“無”という感情を表情に乗せるのうますぎない?無なのに…最初のうちはどうしても妖怪たちの愛らしさに目が行きがちだったけど、噛めば噛むほど味の出る男、萬代…。それにしても、会社員経験がある人、心臓をフン!したい上司などが居たこと、少なからずあると思うんですよ。もうね、共感度がダントツで高くて、なんだか泣けてくるよな。ていうか萬代さんはあの処遇で『明日も頑張ろうぜって笑って歩き出す』モチベがあるのでとてもすごいと思います。わたしは蛮族なのでとてもじゃないけどあのクズの下では働けん。歯向かってしまう。
今回、萬代さんへの歌詞ハメ最高ポイント多すぎないか?まずOPがもう、彼を歌った曲じゃないですか。ずっと、処世術の一つとして『誰のせいでもないことを自分のせいにして』生きてきたんだろうなって…あとそれに近いのがM20の『隣に僕が居なくても』かなあ。きっと今までの萬代さんだったら「隣に居るのは僕じゃなくていい」と割り切っていたんだと思うんですよ。わたしはここで(妖太郎ちゃん、ナムコちゃんと)三者三様の表現の中、ただ呆然と立ち尽くす萬代さんの“恐らく今まででは絶対にありえなかった選択を彼が決意する瞬間”の胸中を想像しながら観るのが大好きでした。
あとは何といってもM12ですよ。カテコとの歌詞の使い方の差が堪らんかった。M12では『そこに在ったストーリー彩るキャラは居ましたか』のところで、良し悪しは別として彼の今一番身近であろうアクの強いメンツは一人も居なくなるんですよ。彼らは萬代さんのストーリーを彩るキャラではなかったから。そんで、カテコで妖怪たちが同じ問いをするのが大好きでしたね。

 

 

 

タイトー警察署】

 


☆株根警部(Q-TAROさん)

もう~~~マジでかっこいい。かっこいい大人の権化。そんでもって、これは株根警部というよりQさんに対してなんだけど、梅棒メンバーがね、一緒に踊れて楽しい~~~!!!がもうめちゃくちゃ出ちゃってるのよ。オタクが観ててわかっちゃうくらいみんなめちゃくちゃうれしくてたのしくて大好き!!になっちゃってんのよ。それがもう本当に最高でした。Happiness!!初日、株根警部がデスクの上に立ち上がった瞬間、爆裂拍手起きてたの最高だったね。そりゃそうだ梅棒たち(名詞)が一緒にやりたかったのと同じくらい、この人が梅棒(動詞)してるところ観たかった人がたくさん居たんだ。やっぱりわたしは梅棒公演の客席が好きだなぁと思いました。自分もその場にいるのにすぐ「アリーナ~~~~~!!!!愛してる~~~~!!!」になってしまう。(Qさんが仰っていた影ナレ後の拍手もそれ)
株根警部は、こういう人がナムコちゃんのそばに居てよかったなぁと思って観てました。あんなに純粋でまっすぐで熱い心の子のそばにはこういう人が居てほしい、痒いところに手が届く感じの人柄。不思議犯罪対策課の雰囲気、すっごく好きだったんだけど、そのバランスはメンバーが手放しで株根警部を信頼してるんだなあっていう空気があってこそだと思うんです。そんで、もちろん皆さん役を演じているわけだけど、その役に3人の“Qさんと踊っていることの安心感”みたいなのが滲み出てる感じがした。いやあ…かっこよかったなあ…カテコでナムコちゃんの頭ぽん、ってするところいつも好きすぎてン゛ン!!になってた。

 


☆中(としょさん)

チュンさん、なんかピカ!の序盤にも居らんかったか?!ついにメインキャラクターとして出てきたんか?!となった初日。近くで見ると、肉体美に爪の跡が2か所あるんですけど、もしかして燃えよドラゴンの時のブルースリーなんですか???と客席が気付くか気付かないかギリギリのラインにネタを仕込む天才。わたしは「知らなくても面白いけど知ってるとさらに面白い小ネタ」が大好きです。
チュンさんはいつも大事なところで面白いので「シっ!今大事な話してるから!」と思ってみてたけど、でもこの人が居ないと絶対物足りないんだよ…なんなんだろうな…話の本筋に絡まないところでの存在感がさすがすぎて、居なくても話は進むだろうけど居ないと絶対に物足りない…うまく言えない…。この人意外と冷静にいろんなこと見てるんだろうなぁと節々に感じて(ナムコちゃんの変化の始まりに気付いたのも彼だったし)大事な話してるときに面白くても全然邪魔じゃなくてすごい。こちとら途中から情緒がたがたでずっとめそめそしながら観てるけど、ぐずぐず泣いてるときにチュンさんがおもろい顔しててもちょっと!!にならないの、ほんとこれなんでなんですかね。
そういえば、突然出てきたビンボちゃんにサーーーーー…と涙が出てしまったオタク、わたしだけじゃないと思うんですけど、今回序盤は楽しいな!楽しいな!って見てるのにずっとなんか変な人だったとしょさんがマジで突然ビンボちゃんになって出てきてそれだけで泣いてしまうので「それはちがうじゃん!」と我ながら思っていた。会いたかったよ、元気だったかい。

 


☆湖南(YOUさん)

この方も、たわちゃんと同じくここをYOUさんがやってることに梅棒からの手放しの信頼を感じてLOVEが募ります。湖南さんも、心変わりの瞬間の説得力が前半次第みたいなところがあり、わたしは役者じゃありませんが難しいだろうなあということはわかる。でもそこはさすがYOU先生、ナムコちゃんを信頼し、大切に思っている気持ちがちゃんと見えるところにあるので、ずっと目指していた“妖怪の討伐”がもう目の前にあっても、ナムコちゃんの声に耳を傾け、その意見を信じる…が出来るのにも納得できる。
おそらく不思議犯罪対策課のうちナムコちゃんが1番新人だと思うので、きっと序盤かなり自らの任に熱い気持ちを抱いていたナムコちゃんより、さらに長いことそれを目指して働いていたと思うんですよ。株根警部も『長年の悲願がついに実った』って言うてたし。ナムコちゃんは実際に妖怪たちの良いところを体感として持てているけど、それもなしに、信頼する後輩が言うならと「長年の悲願」を一旦捨て置けるところがめちゃくちゃかっこいいですよね。M25で電話が鳴る直前、捜査資料が貼られていた壁?パネル?を撫でる背中が大好きだったなあ。本当にこのチームのバランス、最高じゃないですか?チュンさん湖南さんは結構自由だけど、はっきりと目指す目標があるからバラバラにならないし、株根警部がどっしりとすべてを支えてくれる安心感もある。あと、ビル崩落の時真っ先に周囲の人々の安全確保に動こうとするのが警察の方々で、そういう小さいことにめちゃくちゃ嬉しくなるんですよ。わたしだけですか?
ところで遠山夫妻は前作との温度差がすごすぎませんかね。大好きです。遠山夫妻が揃ってるとオタクが喜ぶのが伊藤今人にバレてしまったな…(?)

 


☆那夢子(大西桃香ちゃん)

すごく個人的な話をします。わたしは、そもそも「熱血で生真面目。正義感が強く、一度決めたらとことん突っ走るタイプ」のキャラがあんまり好きじゃないんですよ。M12のあと、瀬賀さんと歩く帰り道とか、全然話聞かないじゃないですか。瀬賀さんが「感動したのはわかったからとりあえず黙っててくれ、な?」になってるのに自分の中の熱い気持ちを語る一方で。初見時、こういうやつ嫌いなんよな~…とめちゃくちゃ思ったのを覚えています。
ところがどうしたことだろうか…M18のあたりから急激に愛おしくなるんだこの子…。カレーのくだり。元々の性格なんだろうけど、彼女の善意って最初はずっと独りよがりで自己満足なんですよね。あの辛いカレーも本人的には美味だったわけだし。今まではきっと、どんな相手でも自分から突っ込んでいって何とかなっていただろう彼女に、一向に触れ合えない妖太郎という存在ができて、押し付ける善意が相手のことを思うやさしさに変わっていく過程がM18でみれる。『不意に触れた誰かの優しさが私の優しさに変わったんだ』のところで彼女の変化が堪らなく愛おしくなります。きっと彼女は、自分の弱点(端的に言えばメシマズ)を人に見られることも不本意だっただろうけど、日頃からずっと持ち前の負けん気で人知れず努力をしてきた子なんだろうなぁ。
M19で、勘違いとはいえ妖太郎から明確な恨みの感情を向けられ、M20では信頼する仲間たちに自分の声が届かず、崩れ落ちて小さく震える背中を見てるのがいつもつらかった。わたしが最初になんとなく嫌悪していた熱い部分は、彼女の一部分に過ぎず、きっと周りから見えにくい部分(もしくは本人が隠そうとしている部分)はこんなに脆く繊細で、彼女の背中はこんなに小さかったのだな…と思わせた桃香ちゃんのお芝居と脚本にあっぱれです。

 


途中で気付いた方も多いかもしれませんが、今回、人数に対して文字量が変ですね。

 


最高に楽しくて愛しくて、心臓がキュっとなるような幸せな時間を彩ってくれたキャラたちが居たことを、わたしはずーっと忘れません。ビニール傘も今までよりずっと大事に使うようになったし、和式トイレでも嫌がったりしないよ。

 

 


この先タイトー区のみんなが幸せに安全に暮らして、世界が交わらなくとも、彼らがそれをどこからか眺めて面白おかしく夜行でもしててくれたらいいなあ。
彼らの存在を知ったわたしたちが、ほんの少し意識を変えて、ものを大切に使うようになったら。そしたら、またふとした瞬間に彼らに会える日が来るかもしれないしね。